やきうどん

アンテベラムのやきうどんのレビュー・感想・評価

アンテベラム(2020年製作の映画)
4.3
題材が題材なだけにあまり茶化したくないけど、劇場版スカッとジャパンで最高だった。

タランティーノ作品の影響で、虐げられてきた黒人に寄り添おうとする思想が根本にあるせいか、かなり感情移入出来た。
完全に予備知識無しで見たおかげであらすじや展開が全く読めなくて、後半ある音を聞いた瞬間に衝撃が走った。作品の全貌がわかった時、よく考えたらベタ展開というか誰でも思いつきそうな話なのに、それを全く想像させない構成に感嘆した。物語の組み立て次第ではこんなに面白く感じなかったと思う。

ラストで突然幻想的というかファンタジーな場面になったからめちゃめちゃ蛇足でせっかくの映画が台無しだと本気でガッカリしたけど、その後にそのガッカリを払拭するオチに繋げたのは凄いと思った。

久し振りに何の文句も出てこない完璧な映画を見て気分がいい。けど、今現在も特定の地域ではこの作品で表現されている残酷で悲惨な奴隷みたいな暮らしをさせられている人々が現実に存在していて、むしろその人々は作中の何倍も過酷な労働を強いられていたりして、そんな人々が開放されて欲しいと心から思うけど募金位しか思いつかない事に無力さを感じる。
やきうどん

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