バランシーン

アンテベラムのバランシーンのレビュー・感想・評価

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.9
プロットというか、作品全体のアイデアは素晴らしいです。こんな風に観る側を裏切れる、ってのは映画における開拓幅ってまだまだあるな、と感嘆させられました。
とにかくアイデア一本勝負なので、予告編などもっての外(笑)、DVDジャケットすら見ないで、前情報全て遮断で没入すれば、面白さのリターンは確実です。










本作、エンターテイメントとしてはかなりなレベルだと思います。
ただ作品の核になっているのが人種差別問題だということ、そしてその具体的な描き方については、正直平板、というかバリバリ日本人の僕でも「それはねーだろ」と思う描写が多く、白人から見れば益々のポリコレ嫌悪やジェンダー嫌悪、有色人種から見れば白人への嫌悪の再生産にしかなっておらず、どうしてこの要素をコレくらいの解像度で核心に持ってきたの?と残念というか、何とも言えない気分になりました。
これ、一周回って白人差別にもなってると思うんですよね。

エンタメとして、そして純粋な映画のアイデアとして高水準と見えただけに、なんか本当にモヤモヤする読後感です。
まあ、日本人の僕は楽しめましたけど、平均的なアメリカ人ってコレどう受け止めるのかな?ちょっと気になります。
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