ぴんゆか

ウィッシュ・ルームのぴんゆかのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ・ルーム(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

英題はThe room、何の変哲もないタイトルなのでどんなB級かと思って見たが、かなり秀逸。
まず設定がなかなか面白い。大抵大きいお屋敷がテーマのものはポルターガイストが起こるとか、悪魔が憑いているとか、主人公を脅かす分かりやすい敵、または仮想敵を題材に作られていくことが多いように思うが、この映画においては登場人物発信に怪奇が起きるのであって、あくまで”部屋”は受動なのである。
ここにおいて人間の欲深さや浅はかさが曝け出されていく過程が皮肉なほど表現されていると感じた。
物的なありとあらゆる満足を得ても唯一得られなかったのがもっとも原始的な子孫というのもまた皮肉である。
最後のシーンに関しては、"部屋"に理想の世界を望んだことにより、主人公がいるモーテルなどそれら全ては部屋が作り出したものであり、結局現実世界ではないと解釈した。
少し前のシーンで見る側に期待を持たせた上で、ラストにやはり"思い通りの世界"から抜け出せていなかったという事実は非常に残酷でかつ現実的である。
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