雨丘もびり

ウィッシュ・ルームの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

ウィッシュ・ルーム(2019年製作の映画)
4.6
観た人のイジワル度によっていくらでも面白く解釈できる、厭な映画(褒)。
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好ましい人柄の主人公夫婦↓
越してきた廃屋に奇妙な隠し部屋が↓
その部屋でうっかり欲しい物を言うと↓
ロコツに豪遊&堕落www
モタつかないスマートな話運びで助かる~♪
グランドピアノどーやって運び出したのよ。
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中盤すっごく面白いと思ったのが、隠し部屋に作らせた子供が”普通の子”ということ。
悪魔の子だったりASPD気質じゃなく、ごく普通の、過保護な親にフラストレーションを溜めてゆく男の子なのよね。
そしてオキマリの、子供ができてキリキリイライラする妻と、自分の世界に閉じこもる夫w。
画家の夫が「お前は虚構だ!」って子を嫌うのウケる。
彼の不安は、自分の創作物でない作品に向けての気持ちかしら。
息子が創作したインナーワールド(作品)も認めませんw。おいパパ。
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結末までずーっと、”男性の不安/男の子の不安”が充満してる気がしました。ちょっと『プロメテウス』っぽい。監督の作家性かな?
コードだらけの欲求実現装置も、魔法とかじゃなくて人間が作った感。
興味深い。
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私だったら最後、あの部屋が作った食べ物やお酒を飲んで血肉に変えた夫婦も、灰にする。
新しい環境に順応しちゃって、旧交を絶ち仕事も辞め、とうとうそこでしか生きられなくなる.....そう!"嫁入り"を皮肉ってBadEnding!的な。
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ジャンルはサイコホラーって書いてあったけど、私はむしろ『金の斧と銀の斧』『猿の手』系の寓話っぽさを強く感じました。
ルールの甘さやレギュレーションの詰め切らなさを、どう埋めてどう楽しむか?は、こちらの意地の悪さと、どう世界をせせら笑ってきたかによるかもw。
あーやだやだ。自分がヤダ。☆ちょっと減らしとこ(^^;)。