馮美梅

ブレイブ 群青戦記の馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

スポーツ強豪校「星徳学院高等学校」を舞台にある1人の生徒が行方不明になる。
そして、ある日、突然の雷と温かい雨と冬だというのに大量の蝉が孵化し死んでいくと同時に学校以外の周辺の景色が一変する。

周囲の高い建物は消え、森になり、突然学校に野武士が襲撃にやってくる。
学校中もう大パニック。教師も生徒も次々との武士たちの襲撃に遭ってもう至る所血まみれの亡骸だらけに。
そんな中で、主人公・西野蒼は同じ弓道部で幼馴染の瀬野遥と剣道部の松本考太と何とか運動場に脱出できたがそこでも次々と生徒たちがの武士たちに殺されていく。

マジ修羅場、いきなりこんな状況まさに地獄だよね。
そこにある一軍がやってきて、一部の生徒たちを人質として連れて行かれてしまった。
歴史オタクの蒼は生徒を拉致していった武将・簗田政綱の存在、そして科学部の吉元もタブレットで歴史検索で状況の把握をしている。信じられないだろうが、自分たちがいる今は戦国時代でまさに桶狭間の戦いの直前だという事。信じられない生徒たちもいる中、実際先生や生徒たち、部活の仲間が多数殺されていることを鑑みると認めざる得ない現実。

そして、もう1軍、松平元康と本田正信たちと対峙する蒼と考太。
彼らとの取引を受け入れ、残った生徒たちと共に人質の奪還と丸根砦を攻略することに。

オープニングからこの辺までのスピード感はかなり良かったです。
若干野武士たちがゾンビっぽいのはどうかと思ったけど(笑)
学生も一体何が起きているのかわからない、先生も生徒や警察を呼ぼうとするけど瞬殺されていて、もう男女関係なく
容赦なく殺されていきます。

元康も青いから自分たちがはるか未来からやって来たことを伝えられ、自分のその後の人生に興味を持ったけど、やはり知りたい
気持ちを抑えておりましたね。気持ちわかりますぅ。

まずは、作戦を立てないと…
考太は丸根砦へ行くメンバーを募ることにするが蒼は自分はいけないと…
女性は学校で待機という事なんだけど、遥は自分は行くと言い出す始末。

野球部、アメフト部、フェンシング、空手、ボクシング、剣道、弓道、そして科学部の吉元も行くことに。
残ったメンバー、特に特進クラスの久坂と小暮は現代に戻る方法を探ることに。

吉元の指示で各クラブ、自分たちの道具などで武器を作ったりしてる。
元康から甲冑なども支給されて、なんとか行く準備完了。

蒼も決意を決めて参加することに。計画を綿密に立て丸根砦に向かうが…
いやぁ、あんな人、こんな人、次々討ち死にするやん!😲
その辺は妙にリアルやん!

思わずそんな有様を見ながら、「鬼滅の刃」の鱗滝さんの名言「判断が遅い!」
そして冨岡義勇さんの名言が頭にグルグル~
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」

完全に握られまくってしまってるよぉ~(T0T)蒼くーーーん。
でも、考太はなんだか煉獄さんみたいに熱い心を持つステキな人だっただけにそんなとこで???と思ってしまった。
最初はあまり弓道に関しても勝負ごとに興味を示さないどちらかというと消極的な感じの蒼がこういう状況に置かれ、仲間が次々
理不尽に亡くなっていく姿、止めは大切な友である考太や元康の死を目の前で観てその人たちの思いを受け継ぎ、覚醒していく様子はなかなかのもので、さすが真剣佑さんだと思いました。

亡くなる前とかみんなが自分たちの死を無駄にしてほしくない、亡くなっていったメンバーたちの思いを生きているメンバーたちに
繋いでいって欲しいと願う姿は、最近「鬼滅脳」な私は思わず、煉獄さんの言葉を思い出してしまうのであります(汗)
やはりこういう絶望的な状況になったら日本人はそう思うんだろうね。

さて、信長様ですが、要所要所で登場をしますよ~(笑)
髑髏城の信長というよりも清盛様寄りの信長様って感じだったかも?
登場自体は多くはないかもしれないけれど、その分登場すると凄い存在感、そして色気が漏れまくっていた…_| ̄|○
そして余り(ほとんど)生徒たちとの絡みがなかった…

捕らわれている女子生徒をにいたずらをしようとする足軽に対しての顔色変えずに首に刃を入れる信長様は美しい分恐ろしさも感じられました。

そして、学校に残っている特進クラスの2人がなぜ過去にタイムスリップしたのか?どうしたら現代に戻れるのか糸口を発見しましたが…時間がない!さあ大変。でも丸根砦に向かっているメンバーに詳細を伝えるすべがない…そこに名乗り出たのは陸上部の柏田。伝令として全力で走るぅ~~。

丸根砦の方は、それぞれの配置について以前攻防を繰り返しておりますがなにせ多勢に無勢の中、もう大変。
でもそれぞれのスポーツの特徴を生かしての戦略はなかなか興味深くて面白い。
陣笠などの相手はいざ知らず、やはりそれ相応の地位の武将となると借銭錬磨の戦を潜り抜けてきただけあってさすがにいくら大会で賞を取るような強者でも歯が立たないね。

一見仲が悪そうだったメンバーもお互いを助けようと頑張るけど難しいことだね。
そして、このようなことになった現況がわかった、それは1年前に学校で行方不明になった生徒・不破瑠衣が簗田政綱に成りすまし、織田信長を利用し歴史を変えようと企んでいることを。

不破を演じている渡邉佳祐さん、今まで彼が出演している作品の中で私的にはイチ・ニの好演だと思いましたね。
特に後半の蒼との対峙シーンは凄かった。あの長い槍のさばきは相当練習されたんじゃないかと思う。葵を負い詰めていくのは
ハラハラするし、遥に対しても容赦なかった。

話は飛ぶけど、一番衝撃だったのは春馬さん演じる元康が銃弾に倒れてしまう事!
えっ⁉マジで???死んじゃうの???ってビックリしちゃいました。
でも、それで結果的に蒼の鼓舞につながるんだけど…

柏田の伝令で、蒼と遥以外のメンバーは無事に学校へ戻ってこれた。でもたくさんの犠牲も出ちゃった。
何とか不破を成敗して学校まで戻ってきた蒼と遥だけど、蒼はこの時代に残る決意をする。
最初の頃野武士にやられた時に止血に使った遥の手拭を大事に2人は別れる。

そして、蒼は歴史が狂わないように、自らが元康となり戦国を生き抜くことを決意する。
現代に戻った人たちって、どうなったんだろう?遥は松葉杖を突いているから、なかったことにはなってなさそうだけど…
特に運動場に埋葬された生徒たちとか、どうしたんだろう?
丸根砦付近で死んだ考太とかの亡骸はどうなったんだろう?色々考えることはあるけど…

最後、家康と改名することなどを信長に報告する蒼だけど、この時の2人の緊張感が凄かった。
これだと、続編出来なくもないんじゃないかなと思った。(蒼の家康の物語みたいなの)
馮美梅

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