出演者の誰一人として余生の資金に困ってなさそうなのがイチバン腹が立つが、タイトルとは裏腹に非常に良質な、手練たちの競演が楽しめる、いい意味で裏切られる良作。
天海祐希が注目されがちだが、松重豊の居住まい、草笛光子の米寿を感じさせない大暴れに始まり、「邦画の俳優」が何気ない風景で動き回っているのが見ているだけで楽しい。芝居が上手い人達が揃うだけで、ここまで楽しませてくれるか!と驚く。
内容はウェルメイドといえばそれまでだが課金を後悔させない笑いが散りばめられ、三谷幸喜の客演で高揚したあとにはしっかり泣かされる、非常に爽やかな作品。
結末もあの家族には現時点で最良の選択だったのであろう、と2時間の映画という意味で色々と気持ちがいい。
前田哲は巨匠になるだろうな。
「~バトン」といい、人間の機微が描ける、でもジャンルにとらわれない手腕がまさかの10月29/30日の連日公開で味わえるとは。