chi

ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~のchiのレビュー・感想・評価

3.9
今朝、某珈琲店でモーニングを食べながら新聞を読んでいたら、本日の読売新聞の一面と特集面で「難聴のテストジャンパー」という記事があって読んだ。感動して涙が出た。検索してみたところ、本作がその時のテストジャンパーたちの話だと知り早速鑑賞。
本作では前回大会で団体銀メダリストで長野で雪辱を果たそうとしていた西方が主人公だが、たしかに先の記事の難聴のジャンパー高橋も出てくる。高橋役は山田裕貴。生まれつきの難聴者の役って健常者が演じるにはかなり難しいと思うが、話し方は相当特訓したのではと思うほど違和感がない。記事によると、高橋も実力でオリンピック出場を狙っていたからテストジャンパーになったことはかなり悔しかったらしい。でも、あのテストジャンプでこれまで試合で記録したことのない距離を飛んだそうだ。
また、当時女子ではスキージャンプがオリンピック種目として認められておらず、オリンピックに出る道がなかった女子選手の話も感動する。団体メンバーから漏れた葛西、怪我をした南川など、西方だけでなくそれぞれの葛藤や金メダルへの思いが描かれており、胸が熱くなる。
金メダルを取るお前なんか見たくない、落ちろという気持ちも理解できる。バッシングをバネにして練習を続け、一緒に飛んだ原田の思いも胸を打つ。
当時を知らなくても感動できる良作でした。
chi

chi