ゆゆ

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女のゆゆのレビュー・感想・評価

3.5
不法滞在者を雇いブローカーをしている業者で働くチャン・ウナを「パラサイト 半地下の家族」でお姉ちゃん役で存在感を見せつけたパク・ソダムが演じる。
彼女の仕事は逃がす為の「運転手」である。
危ない理由で逃走しなければならない依頼人を目的地に送り届ける仕事なのだが、とあり依頼人から仕事を受け約束の場所、時間で待つがそこに現れたのは泣きじゃくり助けを求める幼い男の子。
ルールを破らずやってきた完璧主義な彼女だが一刻を争う少年の命を助けることに。
その少年が依頼人の息子であり、その依頼人は息子を逃がす為に犠牲となって命を落とす。
その依頼人の命を奪い、とある大金を目的に少年を捕まえる為に「運転手」を指名手配する。
そう、この作品の悪役は汚職警官である。
この汚職警官の親玉が「レオン」に出てくる麻薬取締官のゲイリーオールドマンを彷彿とさせるキャラなのが面白い。
韓国の女性版「トランスポーター」と言われているが、たしかにシチュエーションは似てるが「運転手」はたしかに強い女性なのだが、トランスポーターのように安心感のある最強戦士とゆうわけでも何が起きても動じないクール過ぎるキャラクターでもない。運転技術は最強クラスだが肉弾戦においては女性にしては強い程度である。しかしその肉弾戦における男性との力の差を埋めるように戦闘には随所に彼女なりに工夫をこらして死線を潜りぬけるのでリアリティが増していた。
他の人のレビューで主役がブスだのと酷い言われようなのを見かけたが、下手に超絶美人よりも作品においてリアリティのある配役だと思うし、なんならこの女優さんは個人的に好みの女優さんだ。「コインロッカーの女」でキム・ゴウンが好きになったように、一重まぶたで無愛想な雰囲気がたまらなく好きなんだと思う。
そんなクールだけれ人情味溢れるパク・ソダム演じるチャン・ウナは嫌々ながら少年を助けて交流していくうちにすっかり少年を受け入れてしまい、いつの間にか命がけである。
少年の子役も実に演技が上手く、将来が楽しみなほど可愛くイケメンだから単純に楽しめる。
ヒロイン良し、子役良し、悪役良し、カーアクションも良し、難しい話ではないので気楽にハラハラワクワクできる娯楽作品だった。
韓国映画ではおもわず空いた口が塞がらないような出来事や映像を期待してしまうがこの作品は良くも悪くもちょうどいい映画だ。
どう見ても「おねえさん」なヒロインを少年が「おばさん」と呼ぶのも、どう見てもお兄さんなウォンビンを「おじさん」と呼ぶ「アジョシ」感も感じ、結果的に「レオン」「トランスポーター」「アジョシ」好きなら気楽に見れるよって映画。
ここ最近は新作で良質な韓国映画に出会ってなかったので最高!ともならないが期待外れでもない作品に出会えて嬉しい。
11月にはパク・ソダムが準主役で出演する「phantom ユリョンと呼ばれたスパイ」が公開されるので、予告を見た感じ好きな雰囲気の映画だったので楽しみにしたい。
最期にやっぱりこれは言いたい
邦題がセンスなさすぎる。
せっかく良質な映画なのにわざわざタイトルでB級感出すのはなんなんだろうか?
ゆゆ

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