生活の糧

星の子の生活の糧のレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
4.5
星の子 / 大森立嗣

舞台挨拶て で芦田愛菜が人を信じるとは何か。という話に言及していて、それも凄くよかった。
信じるが使われる時、それはすごく一方的な意味を含んでる。盲目的に信用する。だから自分も信じてって意味がどこか含まれてる。
「裏切られたと思うのは、他人の知らない部分を見てしまったから。知らない部分を見ても、動じない事こそ信じる事だなと思った。だから信じるのって難しい。」芦田愛菜が話す言葉の深さに感銘を受けた。

宗教というと日本ではいけない事のような意味を持つ。星の子は決して宗教を肯定も否定もしていない。
環境は一般的でなくても、そこで暮らす人たちがいて、暮らしを勝手に見て、勝手に判断する人たちがいる。
親戚のおじさんが、一方的な押し付けで引き離そうとした時、全てを理解した上で、きちんと自分の生きる道を決めたちひろの気高さは最高だった。

ラストシーンで星を見に行った長回し。
みんなで星を見てるけど、家族それぞれが見ている方向が違うのが良かった。
同じ境遇にあっても、同じものを見ても、自分と同じことを考えてくれる人なんていない。でも、それでも一緒にいること。
信じるって言葉の本当の意味がそうであったらいいなと思った。
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