ゆき

星の子のゆきのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.8
異物感

ちひろが置かれた環境は「不遇」で片づけていいのだろうか。
異質ではあるかもしれない。それでも、両親と姉からの愛情や親友カップルとの友情は確かにちひろを支えていた。
突如日常に訪れたほのかな“憧れ”。
絵を描くことが好きなちひろは、直接的なアプローチよりも自分の中で消化していく。
その“世界”では有名な人も、外から見ると怪し気。
そんな違和感を常に漂わせながら、優しく淀んだ楽曲と一緒に物語は淡々と進んでいく。
天才子役だった芦田愛菜ちゃん。セリフは必要ないほど繊細な表情がすべてを物語ってた。
本当の家族に見えてくる同じ温度感の俳優さんたち。何度も観たいというよりは、時が来たらまた触れたい一作。

***
病弱な次女のため、両親は新興宗教に心酔していく。長女だけは違和感を覚えていたが、次女は中学3年になっても両親と距離を取らず、大事にしていた。
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