たわらさん

星の子のたわらさんのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
4.3
宗教2世による年齢とともに揺れ動く信仰と家族愛の歪さを描いた作品。ちしろが新興宗教での関わった人たちは年齢を問わず良い人たちであり、従兄弟や叔父に近い擬似的な親戚関係にあったに違いないため違和感など抱かなかったはずだ。世間とのズレから崩れていく信仰心と、両親がどこか抜け出せない遠くにいってしまうのではないかと抱く不安感が連続に襲いかかる。最後の流れ星から窺えるにちひろの信仰心は途絶えているのだが、大好きであるからこそ嘘をつく切ないシーンである。

勿論他者に個人のあれこれを蔑むのは論外である。本作はクラスメイトがヒールとなるアニメ的演出がなく、クラスメイトとのリアルな距離感(各々考えはあるにしろ)が良い。
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