トモ

星の子のトモのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
4.5
まず演出が素晴らしい

センシティブで新鮮な題材をどちら側にも極端に寄せる事もなく作り手の思いを押し付ける事もなくフラットに描くことで登場人物全員の思いを考えながら行く末を見守りながら観入ることができる濃密な時間だった

この両親の「信じる」は子に対する親の愛から、何かにすがるように始まったもので決して全否定できるものではない

それは今も昔も多分ほとんどの人が何かを少なからず「信仰」していて信憑性に関わらずそれによって心が救われているという事実

反面、信じるが故に視野が狭くなり信じるものが真実となり周りの人生を狂わせたり他人を傷つけてしまうかもしれないという危うさ

信仰と言っても自分本位な部分が多い現実

信仰心の薄い自分だから尚更考えながら観入ってしまったのかも笑

予告を観て「感動作」とあったけど親の愛から始まり親の愛で終わるこの作品は確かに感動作だった

芦田愛菜ちゃん、永瀬正敏さん、原田知世さんが出るのは分かっていたけど個人的好きな俳優トップ3に入る岡田将生さんが出てきて声が出そうになった笑(演技も素晴らしかった)。その後も黒木華さん、高良健吾さん、池谷のぶえさん他豪華過ぎて驚きと嬉しさ

全俳優の演技が素晴らしく作品世界と演出に浸透していて今作の完成度の高さをより感じる

芦田愛菜ちゃんのキャリアと、活字中毒とも言える読書好きからくる知識量と、若い感性の複合的な演技がとにかく凄い

重ねて演出と演技が素晴らしいので各俳優の登場時間の物足りなさは全くなかったし、可笑しいシーンもありました

原作を読みたいと言う気持ちと、小説では表現できないだろう映像ならではのシーンが沢山あって比較してみたい気持ち
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