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星の子のfilesのネタバレレビュー・内容・結末

星の子(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

もし、病気で困っている時に医者が、学校で困っている時に先生が、救ってくれていたのなら、ちひろは世のセオリーどおりの人生を送れたのかもしれない。

でも、人生はそうとは限らない。手をさしのべるのは、映画のように、ある宗教の水だったり、関係の浅い友人の何気ない一言だったりする。

あれだけの信者の中から、表情だけでふらついている人を見つける宗教団体のカリスマと、ほぼ毎日会っているのに自分の心情を理解しない教師。ふつうの信者なら前者に吸い寄せられ、どっぷりハマっていくだろう。

でも、彼女自身は、さまざまな衝撃的な体験にも惑わされすぎず、自分なりに信じるものを見つけようとしているのが救いだ。これからも彼女の意思で、親を信じていくのかもしれないし、別の信じるものを見つけるのかもしれない。

新興宗教に限らず、ハマりやすいとされている世界には、人間の心理を見抜いた頭脳集団が設計した、相当な仕掛けが施されている。
でも、「この子ならこれからも自分の選択を人のせいにはしない。大丈夫だろう。」と思わせる、ちひろのまなざしの強さ。芦田愛菜ちゃん、よかった。
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