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<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事のほのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

原作のこうの史代さん、すずさんたちキャラクターに命を吹き込むことに取り憑かれたような片渕監督やスタッフ・キャストの方々、作品を上映する地方の小さな映画館の方々、そこに日本中から足を運ぶファン、様々な言語で届けられた作品を観る世界中の人々…

いろんな<片隅>で生きる人たちの人生に想いを馳せることができる、良いドキュメンタリーでした。

私は特に、(たぶん)採算鑑みずに上映を続ける土浦セントラルシネマズの方の、「個人上映館の意地を見せたい。日本に1人くらいこういうバカがいたっていいと思うんです」というような言葉に、涙が出るほどめちゃめちゃグッと来てしまいました。
私もそういう素敵なバカになりたい

片渕監督は2年前くらいに初めて直接お目にかかる機会があり、その時にものすごく言葉に対して真摯に向き合う方なんだなあとすっかりファンになってしまったのですが、その印象がさらに深まりました。
監督ものんちゃんも、すごくお喋り上手という印象は受けないけど、一言ひとこと嘘がなくって、何か伝わってくるような話し方という感じがして、すごくすきです

監督はもう、原作の漫画のフレームの中で生きているすずさんたちが何を見ているのか、フレームの外には何があるのかが本当に気になって仕方がない、ある種「人生オタク」みたいな人なんだと、、
アフレコ風景を見ても、監督が誰よりもキャラクターのことを深くまで突き詰めている印象

最後に生々しく怪我をしているお母さんが、もう1人のすずさんなんじゃないかっていう監督の気付きには、ハッとさせられたなあ〜

新版観る前に、原作も2016年版もじっくり観なくっちゃ…

※さらにいくつもの片隅に観賞後追記
このドキュメンタリーでめちゃめちゃ監督がこだわってるシーン、気をつけて観ないとほんとにすぐ通り過ぎる…!!神は細部に宿るとは言うけれど、、

テルちゃんが窓を閉めるとこのカットとか、監督が細かく時間を調整したことなんてどのくらいの人が気付くのだろ
ほ