ミミック

<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事のミミックのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

『この世界の片隅に』の大ヒットを受け地方の映画館に波及するブームの様子や海外から見る被害者視点の原爆映画の意義、そして新作『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開ギリギリまでの製作風景、表には見えない映画に携わる片隅たちの存在に胸が熱くなる。

海外のアニメと同じように日本のアニメも海を越え海外の人に伝わるんだな。アニメーションに偶然というのはない、全てのカットに監督の意図が込められているのを外国記者の質問に答える監督の詳細な説明から感じる。

ものづくりは細部にこそ神が宿る。片渕監督の原作へのリスペクトとシーンを成立させるための時代考証の入念さに恐れ入る。奥さんも同じ職場なのは素敵だな。

全国の街の映画館はその土地が持つ情報が詰まってるなと自分も川越スカラ座に行ったときに感じてた。ひとりひとりお客さんの顔がよく見えるから監督も全国の映画館を飛び回ってるのかな。片隅の大ファンで元能年ちゃんのファンであまちゃんの松田龍平を模した水口マネージャー(自称)のキャラクターが強烈。

奈良の発掘現場から着想したという新作は完成は何年後かわからないけどゆっくり待ちたい。その前に『さらに~』が楽しみだ。
ミミック

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