2020/11/26(木) Buzzes!のオンライン試写にて鑑賞。原作は未読。
ある日、大学生の恒夫は、坂道で車椅子が止まらなくなり転げ落ちそうになった女の子を助けた。自身をジョゼと名乗るとてもひねくれた性格の彼女は、祖母と二人暮らしをしていた。祖母は「外は危険だから」とジョゼを家から出したくないらしく、偶然出会った恒夫にジョゼの相手をするバイトをしないかと持ちかけたのであった。メキシコへの留学を夢見てお金を貯めていた恒夫は割りのいいバイトを喜んでやる事にしたのだが、ジョゼの無茶な要求に困惑する毎日だった。恒夫はジョゼとぶつかり合っていたが、ある時ジョゼを外に連れて出た事で二人の世界が変わり始める・・・
恒夫役・妻夫木聡、ジョゼ役・池脇千鶴で実写映画が公開されたのが2003年。おぼろげな記憶では恒夫がけっこう軽い男で描かれていたのと、性描写のシーンとかも生々しい印象があってたので「一体あれをどうアニメにするんだ?」って思いましたが、設定は活かしつつ完全に別物の恋愛映画になっておりました。
実写だとジョゼが乗っているのは乳母車でかなり異質な存在として描かれていたけど、こちらは普通に車椅子。
また、舞台も現代にアップデートされていて、タブレットやスマホが出てきたり、舞台となる大阪も2020年頃だとわかるくらい。梅田のHEP FIVEの観覧車とか、なんばパークスやハルカスに海遊館など「見た事ある!」って場所が多々出てくるのも楽しめました。
また、劇中で夏から秋へ冬へと、そして春への季節の移り変わりの風景が美しく、そのあたりも見どころのひとつです。
生まれてから自分の足で歩いた事がなかったジョゼが、恒夫との出会いで世界が広がっていく描写がキラキラと輝いていてお見事でした。最初に恒夫がジョゼを海へ連れて行った時の場面にキュン死…。
障害をもっているジョゼだけど、弱い部分を抱えながらも強く生きていこうと成長する姿が良かったです。
そして恒夫に訪れるまさかの出来事。ジョゼの事を思って恒夫に起きてしまった事が二人にとっての試練ともなるのですが、そのあたりも障害をかかえた女の子のお涙頂戴物語一辺倒になってなくて好印象でした。
対比する描写がチラホラあり、ジョゼが街の中を海のように泳ぐ事を夢想するシーンと恒夫がダイビングしている場面や、最初に二人が海に行った時と2回目に海に行ったシーン、あとは紙芝居。そして「車椅子が止まらない!」の部分、、、どの表現もベタながらわかりやすい面白さがあって良かったです。
中川大志、清原果耶の声優陣も違和感なし。とくにめちゃめちゃクセが強いジョゼを演じた清原果耶の関西弁が最高でしたよ・・・!
あとはデブねこの“ゆきち”がかわいい!!
エンドロール後までお話は続いているので是非最後まで。実写とは全然違ったテイストで楽しめる素敵な映画でした。
因みにこのアニメ版を観た後に同じ感じで実写版を観るとザックザクに心がえぐられると思いますのでご注意を・・・笑
[2020-175]