TAK44マグナム

ハロウィン レザレクションのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

2.7
勝手に人の家に入っちゃダメ!


何だか、先日も不法侵入したボンクラな若者たちが家人に殺されるスラッシャーホラーをレビューしたような気がしますが、本作もそんな感じです。
曰く付きの家で肝試しやったら、首をはねられるわ、頭蓋骨をバキバキにされるわ、ドアに打ち付けられるわと散々な目にあわされますよ!

そんな本作、由緒あるホラー映画である「ハロウィン」シリーズの第8作でありまして、「ハロウィンH20」の直接的続編にあたります。
「ハロウィン」シリーズは少し複雑化してしまっていて、一作目と2作目、それと7作目、8作目が地続きになっているんですね。
3作目は殺人鬼マイケル・マイヤーズが登場しない番外編、4作目〜6作目も2作目から繋がっています。
つまり、2作目以降は、4作目と7作目にパラレルワールド的に枝分かれしているわけです(←全部繋がっているという説もあるそうです)。
うーん、複雑怪奇(汗)
しかも、2019年4月現在上映中の新作は一作目の40年後を描いており、更に輪をかけてこんがらがってしまったのであります。
まぁ、とにかくよくわからんので、本作は「ハロウィンH20」のラストから3年後が舞台である、と覚えておいてください。
別に覚えなくても試験には出ませんけれど!


前作のラストで死んだはずのマイケルは実は生きていた!
そんな馬鹿な!と観た誰もが思うはずですが、本当に馬鹿馬鹿しい事実が井戸端会議的に語られますよ!
非常に強引極まる方法で死を偽装したマイケルは、何故か3年の時間をあけて、再び宿敵であり妹であるローリーを狙って精神病院に現れます。
ローリーは人の首をはねたショックで廃人化していたんですな。
しかし、それはローリーの演技であり、マイケル襲来を察知した彼女は罠を張った屋上にマイケルを誘い込みます。
だがしかし、また人違いだったらどうしよう?という恐れから油断してしまったローリーは、ついにマイケルの手にかかって殺されてしまうのでした・・・!

はい、本作最大の山場が終了〜!
あとはどうでも良い蛇足ですので、ここまで観ればOKでしょう。
でも、まだ開始15分だけどね!

そう、早くも最大のトピックである「ローリーの死」がやってきてしまって、残りの長い尺をどうすればよいのか考えあぐねた結果が、「ボンクラたちがマイケルの生家で一夜を過ごすのをネット配信する」という、POV全盛時代を経た現在となっては手垢のつきまくったアイデアで、正直いってかな〜り退屈。

かつて「ハロウィンⅡブギーマン」を監督して、ジョン・カーペンターにダメ出しされたばかりか再編集までされてしまったリック・ローゼンタールが駆り出されていますが、平板でかったるい演出に全くドキドキ出来ません。
ネット番組のディレクターに説教されてスゴスゴと引き下がるマイケルなんて誰が見たいのよ(苦笑)?
ダラダラとテンポも遅く、やっとマイケルが動き出したと思ったら、やっつけ仕事のように皆んな瞬殺。
尺の割り振りがオカシイんじゃないでしょうか。

映像が暗いし、POV部分になると画質自体も下がって何が起きているのか全然把握できない。
こんなのネット配信で観て楽しいのか甚だ疑問ですし、観ているとストレスがたまるばかりです。

で、ネット配信されているということは観ているボンクラたちもいるわけで、主人公女子のメル友もパーティ会場で視聴中なわけですよ。
ワイワイと皆んなで観ていたら、どうやら画面の向こうでマイケルが大暴れしているじゃないですか!
驚いたメル友は警察に連絡したり、メールで主人公にマイケルの位置を知らせたりと色々サポートするんですけれど、それでようやく少しは面白くなってきたわけです。
でもまた、そのうちそんなのはどうでもよくなってしまいます。
何故かファイナルガールである主人公よりも、カンフーでマイケルに挑むディレクターの方が目立つ展開に唖然とする他ありません。
随分と漢気を発揮するディレクターの陰で存在感が霞む主人公とメル友。
・・・なんだこれ?

せっかくの必殺チェーンソーも不発で、いよいよ頭の悪いシナリオと演出に敗色が濃厚になってきました!
「悪魔のいけにえ2」のチェーンソーチャンバラとか見習った方が良いよ!
マイケルの倒し方もありきたりだし、そもそも主人公よりもディレクター野郎が目立ってどうするんだよって話。
もしかして、実はあいつが主人公だったのか??
ドヤ顔で演説していたし(汗)

この「マイケルのお家探検」の全てが蛇足でしかありませんが、ラストもやけに引っ張っるものだから余計に要らない蛇足感にゲンナリしていると、更にB級ホラーお約束の締め方で心底ガッカリ。
もはや伝統芸なのかもしれませんけれど、はっきり言ってつまらない。
締め方ひとつで評価も激変するので、ホラー映画を撮る方々はそこのところをもっと巧く捻ってくれないと、空しくエンドロールを眺める羽目になってしまいます。
こちらの予想の、常に斜め上をいって欲しいものです。

製作のDIMENSIONのロゴにお馴染みのテーマ曲が被って始まるオープニングと、ドアをまるで紙を破るように強引に破壊して部屋に侵入するマイケルが良かったかな。
それぐらいしか褒めるところが見つからない(苦笑)


あ、劇中で料理オタクが言っていたんですけれど、人はタンパク質を摂りすぎると殺人鬼になるらしいから気をつけてくださいね〜!
・・・って、本当かよ(苦笑)


※因みに、本作製作時期のDIMENSIONはディズニーのフランチャイズを受けていたので、ある意味ディズニー作品だったりします。



某動画サイトにて