名探偵コナンという作品の映画としては素晴らしいが、一つの映画としては物足りない印象だった。というのも、今作の内容は総集編である『緋色の不在証明』に出てくるような情報を最低限網羅しておかないと、内容が楽しめないように思う。最低限、赤井一家の情報はおさえておかないと、良さが分からないと思う。これらの点を踏まえて、他作品よりも敷居が高く感じた。
ただ、今作はリニアが後半以降の舞台となるが、恒例の大迫力アクションは健在だった。もはや人の域を超えた赤井秀一の狙撃は勿論のこと、コナン君の発想力と行動力、生命力が今作でも遺憾なく発揮されていた。それにしても、リニアの胴体着陸とは、何とも新鮮な光景で恐れ入った。確かに、同シリーズの他作品と比べて、スケールの小ささは目立つものの、今作はこの斬新さが光ったように思う。
総じて、今作は名探偵コナンが好きであれば好きである程楽しめる内容となっていたように思う。中でも赤井秀一が好きな人にとっては、この上なく魅力的だった。いつものような大スケールでの息を飲むような展開と言うのは少ないが、これを覆うほどのファンサービスが作中にはあった。あとは余談だが、東京事変の主題歌が何とも最高だった。
(内訳)
面白さ 3.3
学び 3.4
構造 3.7
