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セイント・モード/狂信のmのレビュー・感想・評価

セイント・モード/狂信(2019年製作の映画)
4.0
なにをどこまで、どう、信じるか。信じるということは罪なのか、愚かなのか、を感じる宗教作品。最高に面白かった。

A24が送るサイコホラーですよ!観たかった作品です。観れてよかったー、とっても面白かった。私はやはり宗教、キリスト教が好きだなぁ。とても面白い(侮辱ではありません。悪しからず)

看護師の女性モード(モーフィッド・クラークさん)は、病に冒され余命わずかな有名ダンサーのアマンダ(ジェニファー・イーリーさん)の緩和ケアを仕事にしている。信心深いモードはアマンダの魂の救済こそが自分の使命だと考え、献身的に彼女の世話をする。しかしモードには、神のお告げを信じて問題を起こした過去があった。信仰心を暴走させた彼女の看護は、手段を選ばない危険な行為と化す。そんなストーリー。

ストーリーもさることながら、カメラワーク、色の遣い方が素敵。今作がデビューとは思えない完璧な出来具合です、ローズ・グラス監督。不穏なカメラワークと緩急をより際立たせる音楽、神の世界・精神の世界へと誘われるモードの心理描写(映像として映される描写)ホラー映画というのをわかっていらっしゃる暗い色合い、すべてドンピシャでした。お洒落だねー。

ストーリーも狂信というのががっつり当てはまる展開。宗教にのめり込んでいく様、狂う様は素晴らしく、それが果たして罪深いことなのか?純粋な心なのでは?と思ってしまうくらい自然なものだった。
サンタクロースを信じる、という視点から見ても、多種多様、十人十色の考えがある。全く信じていない人もいる一方で真面目に信じている方もいる。そのグレーゾーンにいる人だっているだろう。今作は振り切ってしまった女性を描いているが、それが綺麗に見える出来になっている。

が!ラストですよ。最後の最後に客観的視点が投入され、彼女がいかに狂っているかをまざまざと見せつける。憎い演出が入っています。いやぁ、素晴らしい。

ローズ・グラス監督、次回作も期待しております。

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★★☆
設定 : ★★★★★
キャスト: ★★★★☆
メッセージ性 : ★☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
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