ムギ山

Curve(原題)のムギ山のレビュー・感想・評価

Curve(原題)(2016年製作の映画)
4.0
(日記から)Twitterで紹介を見てVimeoで見学。10分の短篇。意識を失っていた女性が目覚めると、なぜか用水だかダムだかみたいなコンクリの湾曲した壁面にへばりついているという状況で、ずり落ちずになんとか上に這い上がろうと必死になるが……という話。

なにしろ10分しかないので細かい事情はいっさい説明がなく、落ちたら死ぬ(あるいは死ぬよりもっと酷いことになる?)という言わば「純粋な恐怖」だけが描かれる。ていうか恐怖しか描かれていないので10分でも長過ぎる感じさえする。緊張して見てたのでものすごく疲れた……。変な連想ですが、「純粋な恐怖」だけを描くという意味で筒井康隆の『走る取的』を思い出したりした。

ところで、ネット上にあるこの作品の感想やら「考察」とやらを探してみたらなんかこれが「出産の隠喩」だの「流産の恐怖」だのと言ってる人がいるらしくて、バカバカしくて呆れてしまった。いや、そういう寓意を読み取るのはべつに自由だけど、この映像そのものとは関係なさすぎるでしょ。ちがう?
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