KOUSAKA

デニス・ホッパー/アメリカン・ドリーマーのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

3.8
『ラストムービー』は劇場で2回見たけど、まごうことなき傑作やと思った。なんで過小評価されてるのかさっぱり分からへん。もちろん『イージー・ライダー』も素晴らしいけど、個人的には『ラストムービー』の方がより好き。(『イージー・ライダー』と『ラストムービー』の2作で一つの物語が完結したともいえる気がしてます)

そんな自分なので、『ラストムービー』製作中のデニス・ホッパーのもとを訪ねたドキュメンタリーである本作『アメリカン・ドリーマー』はずっと見たかった1本です。

結論、デニス・ホッパー特有の「アーティスト肌」と「マッチョイズム」の間を右往左往するがゆえの「常に自己崩壊寸前状態が続いているかのような狂気」を堪能できる大満足の一本でした。結局あんた自身が一番面白いやん‼️あんた自身が主演して『イージー・ライダー』『ラストムービー』からの「3部作」を完結してみせたという事か🤔

この『アメリカン・ドリーマー』は、純粋なドキュメンタリーではなく、『ラストムービー』を作っているデニス・ホッパーを、デニス・ホッパー自身が演じるという作りになってるのがポイントで、ムチャクチャやん‼️😵って思ったけど、結果的にそれが大正解だったと個人的には思います。

最後まで見終わって、どこまでが演技なのか、どこまでがリアルなのか、全く分かりませんでした。っていうかぜんぶ演技かもしれんし、実はぜんぶリアルなんだとも言えそうやし。メタ構造なんて安易な言葉で表せないほど、むせ返るような生々しい空気感で煙に巻かれてしまいます😵

まあ典型的な「アルコール&ドラッグ&セックス」渦中にデニス・ホッパーはどっぷり漬かっていて、特に下ネタ系の語りでは「俺のケツを見たい?ケツで仲間がまとまる」とか、ホントにロクなこと言ってませんが😆ことアートに対する哲学的な話になると、切っ先鋭いキラーワードがどんどん出てくるから油断なりません。

「アート、演技、写真、執筆はすべて映画監督になるために築き上げてきたものだ」という言葉にはグサッと来たと同時に、そこまで思っていたならなおさら、もっと彼の監督作品をたくさん見たかったなと寂しく切ない気持ちにもなりました😭

「カメラは銃じゃないが、武器にもなる。革命を考えるときにはカメラとフィルムが必要だ」「1歳であろうが120歳であろうが同じことだ。今日が初日。残りの人生の初日でこの瞬間が初めてなんだ」・・・バスタブの3P映像😵や、酒池肉林ハーレム状態😆の映像の合間で、気を抜かずにこういったキラーワードに「撃たれていく」のがこの映画の見どころであり快感なのかもしれません。

「何かを主張するとき怖気づくこともあるだろう。境界内に生きるのか、境界をその手に収めるのか・・・。男になるためには法の外で生きるしかない」というセリフの後に、ジーン・クラークの「Outlaw Song」が流れてくる瞬間は鳥肌が立ちました。

VIVA、人間‼️VIVA、デニス・ホッパー‼️
KOUSAKA

KOUSAKA