ペコリンゴ

鹿の王 ユナと約束の旅のペコリンゴのレビュー・感想・評価

鹿の王 ユナと約束の旅(2020年製作の映画)
3.7
記録。
それでも、生きていく

上橋菜穂子の同名小説の劇場映画化。ジブリ出身のクリエーターが監督を担当、アニメ制作は『PSYCHO-PASS』等を手がけたProduction I.G。

ツオル帝国と同国に従属するアカファ王国。死に至る病 黒狼熱(ミッツァル)が国中に蔓延する中で、抗体を持つ男ヴァンと血の繋がらない娘ユナ、治療法を探る医師ホッサルとヴァンの命を狙う暗殺者サエらが繰り広げる物語。

活字読む習慣が無い僕的には安定の原作未読、そして特別観たかった作品ではありませんでしたが、概ね印象の良い作品でした。

「医療ファンタジー」なる聞き慣れないジャンル名に臆することなかれ。むしろ医療云々より若干小難しいワードや二国間の関係性を抑えれば、この作品の世界観に浸ることは充分可能。

巷で「映像化不可能」と言われるほどスケールの大きいストーリーではないように感じたけど、それはこの映画が上手いこと纏めてくれたってことなのかも。でも二時間弱の尺に収めた弊害なのか色々と描写不足を感じちゃった点は残念。

ちなみにこの作品って「〇〇デビュー」の多い映画でして、数々のジブリ作品でアニメーターを務めた安藤雅司は監督デビュー。主人公ヴァンを演じた堤真一と医師ホッサルを演じた竹内涼真はアニメ声優デビュー。

声優デビューを飾った2人は本職じゃないCV特有の不自然さも感じられず堂々としてましたね。

本家からいわゆる「らしい」作品が長らく出てこない中で、こんなジブリ味のある作品が出てくれたってことは有り難がるべきでしょう。

ていうか、
その日に観た映画をその日にレビュー投稿するのはいつぶりだろう。いや、まだ溜まってるの沢山あるんですけどね…