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プラド美術館 驚異のコレクションのメルのレビュー・感想・評価

3.6
200年の歴史を持つプラド美術館。
歴代のスペイン王室が買い集めた名画と歴史を絡めてその画家についても紹介。

スペインと言えば異端審問でカトリック教徒が圧倒的に多いので紹介される作品も宗教画が多い。

案内役のジェレミー・アイアンズが詩を朗読するような朗々とした声で解説してくれるのは贅沢。

しかし、あまりにも情報量が多いうえに画面の切り替わりが速すぎてゆっくり絵画の鑑賞はできない。
時代が前後するのもちょっと残念。

沢山の画家の名前が出て来るけどスペインを代表するゴヤとベラスケスに付いては多めに時間を割いてる印象。

プラド美術館を愛する人たちのコメントは「絵によって心が高揚し元気が出る、心が満たされる」
「キリストの遺体に寄り添う聖母を見ると息子の死さえも乗り越えられるという事実に癒される」
「絵画にも映画や小説と同じ感動がある」

そして館長も務めたことのあるピカソの言葉は「芸術は日々の埃を魂から洗い流してくれる」だそう。

ゴヤの「裸のマハ」についてゴヤ部門のキュレーターが「ヴィーナスの化身で誇り高く描かれている」と言ってたけど果たしてそうだろうか?
どちらかと言うとあれは山田五郎さんが言うようにカルロス4世の王妃に大変気に入られたゴドイ大将の愛人ペピータ説の方が真実味がある。神聖なヴィーナスを着衣と裸(アンダーヘア有りで)の同じポーズで2パターン描くなんてふざけた事、当時は先ずしないでしょう。😁
ゴドイ大将の遊びとして「着衣のマハ」の下に「裸のマハ」を飾って客人達と興じたのだと思う。
実際、2枚のマハはゴドイ大将の家から出たと言われているし。😁
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