緑青

プラド美術館 驚異のコレクションの緑青のレビュー・感想・評価

3.8
・冒頭、「ああ、スペインの空だ」と思っていきなり泣いてしまった。
・「他の多くの国では死は終焉であるが、この国では死は目醒めである」(死は目醒め=levantarse=目を覚まして体を起こすこと)「スペインほど死者が生き生きとしている場所はない」って言ってて、笑ってしまった。本当にね。
・修復部門の方が「修復中の絵画からはいろんな音が聞こえます。修復が足りていないとつらそうなんです。映画や小説を読んだ時に音を楽しむように、絵画からも音が聞こえるのです」って言ってて、かっこ良……。
・ダリが「もしプラドが燃えてしまうとしたら、なにを持って逃げますが」という問いに対して「空気を持って逃げます。ベラスケスのラス・メニーナスに満ちる上品な空気を」って答えててキャーーーーってなった。おおダリよ。そんなこと言っちゃうのか。
・フェリペ4世は政治より絵をコレクションすることに興味があった、って断言されてて笑っちゃったんだけど、WWⅡの前のスペイン内戦のときにプラドがいち早く危機を察知して作品を全部積んで陸路はるばるジュネーブまで逃げたことを改めて観ると、あぁこの美術館本気なんだなと思って、ちょっと泣く。
・スペイン行きたすぎて、焦がれています。
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