ダイアー教授

ブレスレスのダイアー教授のレビュー・感想・評価

ブレスレス(2019年製作の映画)
4.4
題:モナは微笑みの女
製作:2019年、フィンランド
監督・脚本:ユッカペッカ・バルケアパー
主演:ペッカ・ストラング、クリスタ・コソネン

皆様は、女王様に踏まれたいと思ったことはありますか?
私はあります。
原題は『Dogs Don't Wear Pant』。
「犬のくせにズボンを履こうってのかい?」って女王様の攻め言葉だと思う。

SMの女王様=モナと、シングルファザー=ユハの奇妙な関係の話。
とても変な映画だった…こんな作品に出逢うと映画を観続けていて良かったと思うものだ。

3つにまとめてレビューします。

1.女王様
モナのカタギの仕事はリハビリ療法士で、夜は女王様で街の犬たちを調教している。
ユハはモナとのプレイで苦痛から解放される。
セックスワーカーも癒しを与える立派な仕事だというメタ的なメッセージを私は感じた。
「保険適用しろ!」とまでは言わないが、彼女たちに敬意を払うべきではないだろうか?

2.ラスト
・強烈なラストシーン。初見時は大爆笑だったが、鑑賞2回目はモナの見せる表情にジーンときた。
モナといえば“微笑みの女”である。
・ラストで流れる曲が印象的だったので調べてみたところ、Mr.Flagioの「take a chance」という曲であった。
歌詞の内容があのシーンにピッタリなので、興味がある人は調べてみるといい。

3.吹き替え
日本語吹き替え版は無いようである。
吹き替え版を作る際は、モナの声はぜひ現在失業中のエリカ様にアテて頂きたいものだ。