自然の恵みを享受して、その摂理の中に生かされている。
そのことを日々感じ、暮らしを営むある人の数年。
年老いた母、以前にも、そしてまたやってくる移民たち。
村での暮らしと市場経済、乖離した2つの中に、多くの人々が感じ、苛まれている苦しみが滲み出す。
強欲、嫉妬、憤怒、傲慢…
それらを感じず、どこで、何をして、誰と人生を終えていくのか。
生きることと社会の仕組は、今も噛み合わない不協和音のままだ。
だからこそ、見つめる自然の雄大さに身を委ねたくなるのかも知れない。
共存と言う言葉すら人間主体だと思わせる、そこに居る、暮らす人の影を焼き付けたような作品。