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ハニーランド 永遠の谷のtomtomのレビュー・感想・評価

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)
2.2
北マケドニアの片田舎で、自然と共に暮らすトルコ系の母娘に密着したドキュメンタリー風の作品。

文学でいうと「老人と海」のような、非常に淡々とした作品。自然を愛し、蜂や動物と共存している主人公の女性に対して、近所に引っ越してきた家族は、動物や蜂を生活の道具としか考えていない。でも、現代社会というものがそうやって成り立っていることを知っているからこそ、それが間違った生き方だ、と自信を持って糾弾することはできない。何より登場人物は皆、それぞれの不幸を抱えている。

バルカン・ガガウズ・トルコ語という、存在すら知らなかった言語を使い、私達の知る「現代」とはまた違う暮らしを営む人達の姿を見るにつけて、未知の世界に触れることのできるのは、映画の醍醐味の一つだなと思う。そこに住む人達の暮らしや悩みを、あるがままに切り出しているのが素晴らしかった。
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