水蛇

ハニーランド 永遠の谷の水蛇のレビュー・感想・評価

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)
3.7
中盤までロルヴァケル「夏をゆく人々」のノンフィクション地獄版かと思った。音も聴覚過敏にはかなり堪える。

だけど自然養蜂のはちみつを売ったお金でセルフカラーを選ぶシーンでまず自分のなかの何かが大きな音を立ててよろこんだ。わたしひとりではきっと永遠に「ヨーロッパ最後の自然養蜂家」である彼女とセルフカラーを結びつけられない。そういうことはしないんだろうと決めつけてたことを思い知ってまたすこし泣いた。しかも2種類の「栗色」を真剣に吟味するの。

演出強めなのかな?と思っちゃうくらいいろんな意味でよくできた作品だからそのあたりに敏感な人は没頭できないかもしれないけど、子どもも動物も使い捨てのように虐待する一家の隣で、「何かできることはない?」って母親に訊かれたら「じゃあキスさせて」「じゃあわたしからも」って交わす母娘は永遠にここに残る。
水蛇

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