監督・脚本 エメラルド・フェネル
初の長編作品で、アカデミー賞脚本賞。
すごすぎるね。
ポップな空気を纏いながらも、強烈な毒がある作品なんだ。
題名の通り「成功を約束された若い女」が死んだ女友達のために、復讐していく。
イジメなんかもそうだけど、加害者は悪ふざけみたいな軽い気持ちでも、被害者は心底怨みを持ち続けているもんだ。
自分にも知らず知らずのうちに怨みを持たせてしまった相手がいなかったっけ?って一瞬背中がヒヤッとしたよね。
キャシーのように文字通り全身全霊で、復習されたらたまらない。これからも気をつけよう。
いや、この作品は単なる復讐劇なんかでとどまっていないな。これは、男から女への性差別、性暴力、そしてそれを傍観している男女達との、キャリーの孤独で本気の戦いなんだ。
そんなキャシーを、キャリーマリガンは、抜いた演技で上手に演じ切っている。最初、もっと若い女優のほうがいいんじゃない?と思ってしまってゴメンなさい。
セックス、暴力、酒、ドラッグが話の要素にでてくるけど、それぞれの描写は少なめ。それがかえって観客が主人公の精神状態の機微を追っかけることに集中しやすくしてくれている。
監督の次の作品にも、期待大。