あのキスからの幸せデート、そして両親との温かな紹介ディナーのシーンで、どうにも泣けてしまった。
「俺はナイスガイだ」
「俺は悪い男じゃない」
「あの時はまだガキだった」
どいつもこいつも同じようなことを言う。
本当に?
誰にとって?
許される理由になるの?
泥酔していたら何をしても良いだなんて、そんな謎ルールは無いのにね。
因果応報。
前途有望な若い男なら容認されて、前途有望な若い女は無視されるのか。
他者の痛みへの想像力の欠如。
己の身にも降り掛かることで初めて生まれる恐怖の感覚。
傍観者でいることの無責任と罪の意識の無さ。
言い訳ではなく、必要なのは贖罪だ。
近頃ではオリンピック周りでも色々とあるけれど、過去の過ちは時を経て追い掛けてきて、償わざるを得なくなるのだね。
うんこを食わせた相手への償いはなにか?
海よりも深い謝罪の気持ちを込めて、うんこを食うことだ。
しかし、カサンドラの演技力、キャリー・マリガン並みに高くて驚かされた。
彼女にはあったんだ。
命を懸けたとしても、正さなくてはならないものが。
かなしい気持ち。
エメラルド・フェンメル監督脚本でキャリー・マリガン主演のぶっ飛んだロマンティック・コメディを観てみたくなった。