たけひろ

プロミシング・ヤング・ウーマンのたけひろのレビュー・感想・評価

4.0
あのキスからの幸せデート、そして両親との温かな紹介ディナーのシーンで、どうにも泣けてしまった。

「俺はナイスガイだ」

「俺は悪い男じゃない」

「あの時はまだガキだった」

どいつもこいつも同じようなことを言う。

本当に?

誰にとって?

許される理由になるの?

泥酔していたら何をしても良いだなんて、そんな謎ルールは無いのにね。

因果応報。

前途有望な若い男なら容認されて、前途有望な若い女は無視されるのか。

他者の痛みへの想像力の欠如。

己の身にも降り掛かることで初めて生まれる恐怖の感覚。

傍観者でいることの無責任と罪の意識の無さ。

言い訳ではなく、必要なのは贖罪だ。

近頃ではオリンピック周りでも色々とあるけれど、過去の過ちは時を経て追い掛けてきて、償わざるを得なくなるのだね。

うんこを食わせた相手への償いはなにか?

海よりも深い謝罪の気持ちを込めて、うんこを食うことだ。

しかし、カサンドラの演技力、キャリー・マリガン並みに高くて驚かされた。

彼女にはあったんだ。

命を懸けたとしても、正さなくてはならないものが。

かなしい気持ち。

エメラルド・フェンメル監督脚本でキャリー・マリガン主演のぶっ飛んだロマンティック・コメディを観てみたくなった。
たけひろ

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