ボギーパパ

プロミシング・ヤング・ウーマンのボギーパパのレビュー・感想・評価

4.1
劇場2021-41 TC川崎

一風変わったサスペンス映画。今年のアカデミー脚本賞受賞作でしたね。

予告編見て観ようと決めたのだが、勝手にリベンジものと決めつけていて、あぁまぁあういうふうに収まるんだろなあと勝手に決めつけていたところしっかり裏切られたから、やっぱり観て良かったと思った作品。かなり心理的に怖かった。

こういった作品のストーリーは触れないけれど、このダイバーシティ、ジェンダー平等、Metooの時代においても、根っこに残っている男性性(本作におけるものなど認められるはずはないが)を本作はターゲットにしている事が、この問題の根深さを訴えるものであろう。一方、主人公カサンドラが女性性をエサに男ども(女性もいたが)を懲らしめるという形式もここに起因しており、まだまだあるいは永遠に、この問題が解決なんぞしないであろうことを明らかにしている。

そして我々鑑賞する側も傍観者であるが、ある事をやった奴と、周りで見てて何もしなかった奴は同罪?って構図は、つい最近の小○田某の件と同じかなと言われる方のなんと多いことか。タイミングが良すぎるというか、嵌ったというか、、、

他人事にしないで、自分事として考えさせることの重要性を復讐劇それぞれの中に埋め込まれているのが凄い。学長のケース、弁護士のケースそれぞれ違ったが対極か。自分は今までどうだったであろうと振り返らずにはいられない。

あと、本作ストーリーの根源となったニーナの一件が一切描写されず、回想シーンもなく想像させるところに制作側の深い意図が感じられた。

その制作にマーゴット・ロビーが入っていたのに納得。キャリー・マリガンの衣装や演技にそれが写されていたのは印象的でした。
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