もしあなたやあなたの大事な人が性暴力を受けた経験があり、たとえもうそれは過去のことだと乗り越えたサバイバーだとしても、この映画を観ることはあまりお勧めしない。できない。
私は劇中のある時点以降呼吸が荒くなり、胸の鼓動が速くなり、映画館から自宅までどう帰ったかも定かじゃない。帰ってこのレビューを書いている今もまだ胸がバクバク鳴っている。
途中までは聴き覚えのあるセリフや感じたことのある違和感が描かれていることに対し、余裕の表情で中指を立てながら観ていたが、段々そうもいられなくなった。
劇中に描かれていることは紛れもなくこの地球上のあらゆる場所で実際に起き、幾度となく告発されてきたことであるゆえ、映画という大衆の目に広く触れる形で発表されることは意義あることだと感じるが、その内容に心理的距離が近すぎる人には映像の与える印象が強烈すぎるかもしれない。
私と同じように感じた人がいるとすれば、それはあなただけではないということをこの場を借りて伝えたい。
