なかよし

プロミシング・ヤング・ウーマンのなかよしのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

この映画を平常心のまま観られる男性は、残念ながら少ないだろう。自分が結構冷静に観れてしまっていることすらも怖くなる。

時代錯誤かもしれないが、10年近く前の過ちを今、正されようとする、という点だけを切り取るとあまり納得感はない(これは主にこの東京オリンピック開閉会式での人選について、の持論になってしまうかもしれないが)。ただアルモンローやジョー、「ライアン(あえて括弧付きで。傍観者は無害か?)」の周辺人物が過去に行ったことは残忍で、それは他人を死に至らしめるほどの行為であるから同情の余地はない。。
という考えを巡らしていたら、ではどこまでは年月が経てば許されて、どこからが許されない行為なのか、と気付かぬうちに第三者であるはずの自分が勝手にそんな判断(差別といった方がより実態に近い)を下していることに呆然とする。

復讐の代替、ということはなかなか難しい。それは誰に望まれているのか。残忍な害を被った当人は口なしの状況であるなら尚更。準ずる親にも望まれているとは思えない描写もあった。ただそれでもキャシーはプロミシングだった親友を想い続けて戦った。

モンローのお腹にニーナの名を残す、それが叶わなくても自らの命を賭けてでも親友の死を無駄にはしない、そんな只事ではない激情を抱き続けたキャシーは狂ってなんかいない。
なかよし

なかよし