うどん

プロミシング・ヤング・ウーマンのうどんのレビュー・感想・評価

4.1
昨年タイムライン上の多くの高評価から気になり鑑賞!

すっごくゾワゾワしてしまう作品…

始まって最初の映像が、男性陣の腰の動き…。気まずさしかない…。
予告編を見ていたので、主人公の夜の活動には驚かなかったが、どうやら主人公はワケありなようで、気になる点が徐々に明らかになっていく展開には、うわあ…となった。「ワケ」については核心の映像やハッキリとした説明はないけれど、主人公を中心とした会話内容から察することができる間接的なつくりが、直接的なものを見せられるよりも不快感・悲しみを一層感じるものだった。

主演のキャリー・マリガンといえば、「華麗なるギャツビー」での可愛らしさ・小悪魔のイメージしかなかったが、今作では演技がとにかく光っている。小悪魔要素はあるが、ある過去を抱えて苦しんだり、逆に、一人の女性としての一面もあり、彼女の演技があってこその作品。
後半が怒涛の勢いで進むが、ストーリーにおける章を表すローマ数字がなぜ「Ⅳ」を「IIII」と表記したのか、伏線回収されたところには恐れ入りました!
「画」のつくりや「言葉」もグサグサくる凄いものが多かった。主人公に対する男性陣の視線とか動きのドアップには、居心地悪さしか感じないが、それを分かって行動する主人公はもっと凄い。ただ、そこまで行動させる原動力、つまりは、題名の「プロミシング・ヤング・ウーマン」が誰を指し、過去の出来事から今にどう影響を与えているのかという、恐ろしい内容をポップに描いてしまえるつくり、本当にすごい。

重たいテーマをさらっと扱いつつも、ちゃんといろんな方向にアプローチしていて、映画のつくりとしては面白いけれど、内容には多くを考えるし、後味としてはゾワゾワ、ぐるぐると思考が止まらない作品。
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