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プロミシング・ヤング・ウーマンのmのレビュー・感想・評価

2.5
メッセージ性は強い。それは確かだが余計なものが多かったイメージ。啓発的な作品だけどキャシーの捨て身すぎる復讐が精神疾患者に見えてならなかった。こういう仕打ちにあっている女性側としては、完膚なきまでの復讐劇が見たかった。

今作を観た男性が「toxic・どんでん返しテンション上がる」とかレビューしていたら、ことの重大さを理解していないと思う。女は、男は、戦争が勃発していて、一概に二分化していい話でないことは承知だが、今作のことが起こる世界に女は晒されやすい。
外で酔えない、好きな服を着られない。
最近ブラック校則でポニーテール禁止の記事を見たけれど、髪型にさえ文句をつけられる。外で酔っていればお持ち帰りok、短いスカート履いていたら誘っている。なぜ、そういう思考回路になるのか?ガキだから許されるのか?
やるせない女性の気持ちを代弁してくれている今作に苦しさと悲しさとが入り混じった感情を覚えた。

ただキャシー(キャリー・マリガンさん)の精神状態が気になり、作品に没入出来なかった。
年齢にそぐわない洋服を着て、親に設られたかのようなファンシーな実家の一部屋にいる。普通の恋愛を始めても上手くいかず、ゴミ箱に八つ当たり。脅したり、挙げ句の果てには……。
私にはキャシーが捨て身過ぎて、復讐の定義が分からなくなった。これではただの〇〇だし、なにも救われない。(ネタバレなので詳しくはコメント欄に)
この終わり方はイカれた女というイメージになる。

精神が崩れていたとしたら、今回の啓発とはまた違う話になってくるし、違うアプローチをして欲しかった。親友が亡くなり悲しみに精神がおかしくなっていたというのはあるだろうけど、ラストの仕業と笑顔はなにかチグハグさを感じた。

そう。なんかチグハグだった。書いていてわかった。
メッセージ性は強い。それを大衆向けに昇華したのは素晴らしい。だけど、私には合わなかった。

拒否じゃなくて「なにしているの?」がリアルだった。合意しなければすべてレイプ。

ブリちゃんのtoxic使うっていうのが意味あるよね。

ストーリー : ★★☆☆☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★☆☆☆
キャスト: ★★☆☆☆
メッセージ性 : ★★★★★
感情移入・共感 : ★★★★★

cc/私も彼女も“前途有望”なはずだった──
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