まめまめちゃん

プロミシング・ヤング・ウーマンのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

4.3
ずっと怖い映画だと思って観れずにいた。
復讐つって序盤から脳天カチ割り描写多い韓国映画(※イメージ)を好んで見てるくせに、
心理を手繰り寄せていくような作品は心に何かを落としてそれが消えずに残ってるような気がする。

衝撃のラスト10分!とかいう宣伝ほどの衝撃ではなかったけれど、ただキャシーの危うさ不安定さに気が気じゃない113分。

キャシーは最初から心が殺されていたのだろう。

設定年齢よりお肌が老けていた(老けさせていた)のはメンタルだろうし、それをより強調していたのは学生のようなファッションとふわふわにカールしたブロンドヘアだ。心だけ歳をとらず、酔っ払ったフリをして持ち帰る男たちに嫌がらせをしたその時、少しだけ生きているような気がしていたのかもしれない。

キャシーは体も殺されに行ったのだろう。

相手が人生で最高の時を狙い、命を扱う者として最悪な事件を起こさせる。それでも親友と自分の人生の仇は、こうしてしか取れなかったのか、誰も同じ気持ちになってくれなかったのかと悔しい。

こんな犯罪が他の犯罪と同等に扱われる時代はいつ来るのだろう。

作品としては入りやすく見やすくわかりやすい。加えてエンタメ性も豊富。劇伴も意外にポップだった。