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プロミシング・ヤング・ウーマンのfmkのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしかった。

可愛らしい雰囲気のキャリーマリガンをキャシー役に起用している点、キャシーの部屋や服装、職場(カフェ)はこの上なくガーリーでお姫様のようである点。

一方で、ストーリーの主題は、親友が学生時代強姦され人生をめちゃくちゃにされたことに対する復讐ーー女性の多くが経験する、男性からの性的なハラスメントに対する抵抗を描いている。(ここで男性ばかりが加害者かよ、と言われるかもしれないが、本作では、それらの事態を軽視したり見過ごしたりしていた女性達もターゲットとなっている)

まさに男性達から性的に搾取され、それに屈する象徴のような可愛らしい見た目の女性が、実は裏で復讐劇を繰り広げているというコントラストが、見ていて気持ちよかったです。

このストーリーは勿論、かなり誇張して描かれているけど、無意識的に男性から受ける性的かつ下品な視線や言動に苦しめられることは、普通に日常生活でも経験します。社会問題にもなった#MeToo運動や、最近明らかになった日本の映画監督からの性被害の件などもそう。
この、無意識的に、とか、皆やってるから、とか、若気の至りで、とか、お酒に酔っていたから、とかは通用しないし、被害者にとってはずっと傷になる。

そういう思いをしたことがある女性(きっと、女性から性的な嫌がらせを受けた男性もいると思う)は、この作品が刺さると思う。

キャシーの最後は無念でならないけど、生きて残った奴らーー“プロミシング・ヤング・ウーマン“ 前途有望だったはずの若い女性の未来を潰した奴らーーは存分に生き地獄を味わってほしい。

この作品を、この作品を評価している人間たちを、またフェミニストが騒いでら、と簡単に片付けないでほしい。
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