はろ

プロミシング・ヤング・ウーマンのはろのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ほとんど事前情報無しに観たけど衝撃的な作品だった…。
キャシーのニーナへの想いがすごく伝わってきて、親友が死に自身の夢も断たれたキャシーの復讐は痛々しくも映った。
キャシーの服とか部屋とかちょっとしたとこに映る女の子らしい可愛い趣味とニーナの性格を踏まえると、多分キャシーは昔は今みたいな性格じゃなかったと思う。ニーナと仲良くなって、辛辣で愉快、言いたいことをはっきり言う彼女に憧れ尊敬していた。彼女が亡くなってから、彼女を忘れないために、かつてのニーナのように強くあろうとしていたんだと思う。
大学を出て5年以上経ち、30歳になるまで酔った女につけ込む男たちに制裁を加え続けていたと思うといたたまれない。

ライアンも初めはいい奴だったけど、背が高いのに小児科の受付で天井にいっちゃった子供の風船に目もくれずキャシーの隣に座ったり、小児科なのに子供と接してる描写が一切無かったり、結構おかしい部分はあって、極め付けはビデオがバラまかれると思った瞬間身の保身と。
ろくな男いないな!!一生罪悪感に苛まれろ!て思うけど、あの場にいた人達はこの5年ニーナのことなんて微塵も思い出したりする事なく過ごしてたんだろうな。

ずっと、部屋の中で男と1人で制裁続けてたら誰かに恨まれたり、暴力的な男に殴られたりしてもおかしくないなと少し不安な気持ちで観てたけど、まさかあいつに殺されるなんて屈辱だろうな…。安物の手錠が仇になっちゃった

最後はキャシーの用意周到さで、制裁は加えられたけど、やっぱり復讐って何も生まないなと思う。どんなに当時の加害者に私刑を与えようとも、結局キャシー自身を犠牲にしてしまってるし、それによって悲しみに暮れる家族を考えると全然報われてない。現実ってそんなもんなんだなぁほとほと嫌になる。

演出すごく良かった!キャシーが男に復讐する時に厚化粧するのは、化粧して制裁する自分と本当の自分を切り離したいからなのかな?と思ったり、単にクラブだしそこにいるような男にウケるから?とか、あと武装みたいな意識もあるかも。
デートにいくキャシーの服とか、服装も髪型もすごく可愛くて、本当はこういう服着ていい人と付き合ったりしたかったんだろうなと思う。それを自分に禁止させて悪い男ばかり相手して、まったく男に気を許せなくなってるキャシー、ライアンにクラブにいた訳を話す時もニーナの事とか制裁の事は絶対に言わないし言い訳もしないの、ライアンは好きだけど完全に自分を曝け出してはいないんだなと思わせる。

一番ゾッとしたのは朝方ホットドッグ食べながら裸足で歩いてるシーンと、toxic の不気味ストリングスアレンジが流れながらナース姿で小屋に向かうシーン。あそこ最高だった。
はろ

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