ゆず塩

プロミシング・ヤング・ウーマンのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ:過去の後悔から、酔った女を介抱するふりして襲う男に制裁を加えている女性が、後悔の元凶が近くにいることを知り復讐しようとする話】

復讐劇。レイプリベンジ。
復讐の動機が友人スタートだからか、主人公の気持ちには入り込み切れないような。
既に故人だから、友人は出て来ないし。
復讐の仕方も、過激なようで、若干冷静。
ちょっと病的で変な主人公のようで、普通なような印象。

主人公に感情移入できない分、ライアンとかに感情移入できるわけだけど。
……そういう作り?

復讐も、シンプルな復讐ではなく、選定して、制裁を加えてる。
制裁も、ちょっとフワッと脅す程度だったり……。
というか、映画のお持ち帰りした男たちは、ドッキリみたいな目にあってお終いなのかしら。

【テーマ:女性差別、女性軽視、男尊女卑】
テーマとしては、これでいいのかな……。
もっといい言葉がありそうだけど。

この映画のタイトルの元になった言葉とか事件もあるらしく。
社会に対する風刺的な側面が強い映画という印象。
にもかかわらず、映画としてしっかりした物語になってるのがこの映画のすごいところ。

テーマが現代とかなりマッチしてるのがヒットの要因なのかな。

【その他感想】
主人公、半端に冷静な分、怖い。
復讐の仕方が後先考えているのが……。

最後のオチとして、相手に自分を殺して復讐を完結させるのは、良い皮肉になってるのかな。
「レイプは軽くて、言い逃れも出来ちゃう社会だったりする。
 でも、殺人は、違うでしょ?……え、何この差?」みたいな。

復讐の対象になる人たちは、男性も女性もみんな、保身的なのが見ててキツイ。
保身的だったり、過去の過ちを忘れたり、個人的には「仕方ないじゃん」って思ってしまうから。それが普通でしょ、と。
その証拠に、過去を悔やんだり後悔したり、ずっと根に持ってる人は、主人公も、弁護士(ジョーダン)も病んでて。
生き方として楽なのは、圧倒的に保身的な生き方してる方々ですよね、と。
だから、「それ、おかしくない?」ってのがこの映画なわけで。
自分にも、過去の過ちに対する、保身的な側面があるから、見ててつらい。他人事じゃない。

映画としては、「レイプに限らず、性犯罪ってかなり下劣で最低最悪。被害者は、地獄の苦しみを受ける。それを、男女ともに理解しろ。意識しろ。見過ごすな。放置するな」といったような点に焦点を絞って、メッセージを放ってる。
にも関わらず、その他の多種多様な人の抱える過去の過ちにもヒットしてくる。恐ろしい。
すごくゾワゾワする映画だった。

率直な感想として、スカッとはしないし、主人公の気持ちにもそこまでノれない。
でも、感情の気持ち悪い部分に手を突っ込んできたので一個スコア高めにしました。
ゆず塩

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