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プロミシング・ヤング・ウーマンのandesのレビュー・感想・評価

2.9
誠に時代性を捉えた映画。ジェンダー、me tooなど、ホットな話題をいち早くピックアップしているが、映画としては際どい。バランスが悪いというか、ヒロインが「どういう人」か掴みづらいし、リアリティラインが不明確。意外とテーマもボヤケている。
手帳を見るに相当「バーでの見回り」をやっているはずだが、普通に出禁だろう。噂も広まるし、そもそもリスキー過ぎる。日常に違和感があるのだ。映画としてはマッチポンプ的に「悪男」を炙り出す是非も問われない。勤務態度も最悪で、ジェンダー以前の問題。
ということは「私刑」ものと捉えられても仕方がないが、それにしては案外ヒロインが常識人で、「好青年」との恋愛を大切にしたい。ニーナとの関係も描かれていないし、ビデオがあるなら公開してネットに上げてでOKなのでは?。独身パーティーも、わざわざマッチポンプ的に乗り込んで、意図的(だよね?)に自分を殺させなくても良かったはず。ここでも雑でリスキーな展開が残念。ラストで「復讐成功」みたいな雰囲気をだしているが、ストリッパー作戦は不確定要素がありすぎる(あと、普通にチェンジだろう。むしろ「誰だ、こんな年増を呼んだのは!」と仲間割れが始まる方が男の最悪さが出たかもしれない)。
総じて、ヒロインが「どう問題を解決したいのか」が良く分からない。頭脳明晰っぽい雰囲気も一瞬あったのに、行き当たりばったり、どうしてこうなった。主人公の倫理を問う演出もないし、そもそもアルはどんな「罪」を犯したのか(ビデオを見せないのもズルい)。タイトルの「将来を約束された女」ってのも思わせぶりだが上手くないと思う。キャリー・マリガンはがんばってました。
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