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プロミシング・ヤング・ウーマンのOMUのレビュー・感想・評価

3.8
親友をレイプによって殺された(自死)主人公が、主犯の男性が結婚すると知り復讐する話。

復讐劇と聞くと爽快なものをつい想像してしまうのだけど、
この映画はスッキリ感とは程遠く、オチはあるものの、最初から最後までじりじりとしていて、
途中ちょっと挫折しそうになりました。
というのも登場人物の造形がかなりリアルで、
「あー…いるいる、あるある…」の連続で
どうにも嫌な現実を思い出せてくれたので…。笑

仲間との結束を高めるための犠牲や、それを「遊び」「必然」「若気の至り」などと称して矮小化し、後でそれが問題になった際、結託して仲間を(及び自分を)守り、なのにいざ自分に実害が及ぼうとした瞬間、ぎりぎりのところで裏切る。
そしてその行為を肯定する人(女性含)たちも、上記のシステムを強化する。

この映画はそんなホモソーシャルの仕組みを、否定するというよりは、
ホモソーシャルのホモソーシャルらしさ、みたいなのを隅から隅まで綺麗に描き切ってみせることで、そこにある問題を浮き彫りにしようとしたのかなぁと思います。

そう言う意味でめちゃくちゃ意義はあるのかなと思うし、最後の最後で少しだけ胸はすく気もするのですが…
なんだろう、このモヤモヤ感は笑

もしかしたら、この映画が現実にそっくりだからこそ、
もう一つ夢を見せてほしかったのかも、しれないです。
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