過去の事件に対してポジティブな方向で向き合う人が誰もいない映画だと思った。全員が復讐や隠蔽などのネガティブな方向で事件と向きあう人間。だから登場人物が全員(誇張じゃなくまじで全員)不幸になる結末を迎えたのだと思う。
だからと言って主人公に「過去のことを許してやれば幸せになれるよ」というのもなんか違う。少なくとも男側である俺は簡単にそんなことは言えない。
いわゆる優れた人間ドラマだとどう許すかを語るのだろうけど、この映画はその要素を意図的に捨て、痛快だけど悲壮感があるエンターテイメントにしている。それが成功してるから見ていてめちゃくちゃ楽しいし、楽しんじゃってることに後ろめたさを感じた。
お互いのことをあまり知らない異性とは語るのがすごい難しい映画だと思う。とりあえずめちゃくちゃ面白いわ。
