ヤスマサ

プロミシング・ヤング・ウーマンのヤスマサのレビュー・感想・評価

3.8
医大生で将来有望だったキャシー(キャリー・マリガン)が、明るい未来を捨て、親友ニーナの未来を奪った者達へ復讐するサスペンス。
昼間コーヒーショップで働くキャシーは、ニーナの復讐を企てながら、夜な夜なバーに出掛けては、酔ったフリの彼女を、それと気付かず欲望の対象とする男たちを制裁している。

7年前まで、医大生で将来を有望視されていた若い女性、プロミシング・ヤング・ウーマンだと信じられていたキャシーが、輝かしい未来を捨て親友のために復讐に徹する姿は、残酷さは薄くとも狂気じみたところがある。
それは単に親友のためではなく、女性軽視、男性優位の社会に対しての絶望と怒りの表れだろう。
キャシーの復讐は、当事者だけでなく、傍観者や擁護者にまで及ぶ。
キャシーにとって、傍観や擁護は、犯罪に加担したことと同じだ。
悲しく非業な内容に対し、明るいトーンでストーリーが進むという乖離した表現は、理不尽な問題に対する世間の無関心さとも取れる。
不条理な問題に対する意識が変わる映画だ。
キャリー・マリガンの演技力に目を見張る。
制作に、女優マーゴット・ロビーの名前があるのも特記すべきところ。
ヤスマサ

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