健一

選ばなかったみちの健一のレビュー・感想・評価

選ばなかったみち(2020年製作の映画)
2.5
『サリー・ポッターと賢者の石』😅

20年位前の 大ブーム の時にはこんな風に茶化されたのでは?😅

という訳で 私自身「耳に残るは君の歌声」以来約20年ぶりのハリー・ポッ.......違うサリー・ポッター監督作を鑑賞。😅
ハビエル・バルデムとエル・ファニングという組み合わせ。
観る前の期待値はかなり高い!

......なんて冗談を言っている場合ではなかった。😅
重い、とにかく重い。
86分とお手頃な作品のはずなのに「ドライブ・マイ・カー」(179分)ぐらいに感じた。
昨年観た「ファーザー」によく似ているかな?こちらも『認知症』を扱った作品で、まさにバルデム版「ファーザー」。

父と娘の一日。
娘は父を病院に連れ出すためアパートを訪ねる。
だが父は『上の空』。心ここに在らず。
元妻との辛い思い出、安楽死させた飼い犬、『あの頃』出会った 娘と同じ歳ぐらいの少女。
そう。これが『認知症』。身体と心と 頭の中 が別々なのだ!
そんなこと 知ったこっちゃない 娘は 抜け殻のような父を歯医者、眼科、ショッピングモールへと連れ回す。
夜。 この病気の一番怖い瞬間『夜の徘徊』がはじまる。
裸足のまま あてもなく夜の街を彷徨う父。
娘の疲労はピークに。でも、愛している、父を。

私の父は現在84歳。『認知症』です。
意味不明な会話、夜の徘徊、犬のように 至る所でオシッコをしてしまう。
もう私も姉もヘトヘト。疲れ果てました。
この作品は家族に認知症の人間がいる人が観ると とてもツラい作品。
と同時に認知症の介護の経験がない方々は『いつかは訪れる.....かもしれない。』という恐怖を覚えるだろう。
『恐怖』と表現してはいけないのかもしれない。
だが、経験者としてあえて言わせて頂く。
この体験は『恐怖』だ!

ハビエル・バルデムはこの難しい役をほぼ完璧に演じている。
が。
同じような役を演じた「BIUTIFUL/ビューティフル」「海を飛ぶ夢」のほうがインパクトがあった。
エル・ファニングもこの難役を悲壮感たっぷりに演じているが、とにかく見ていてツラい。
やっぱりエル・ファニングには いつもニコニコと笑っていて輝いていてほしい。

決して つまらない作品 ではなかったが、エンドロール中に多くのお客さんが劇場を後に去って行った。
この行為が この作品への評価なのだろう。

「選ばなかったみち」。
もう、『道』という漢字すら、思い出せないのかもしれない・・・


2022年 3月3日 10:45〜
ヒューマントラストシネマ有楽町screen 1
💺162席
客入り 50人前後。

ちょっと久々ヒューマントラスト有楽町。
いつ来ても混んでいるのに今日は・・・
銀座マダム達はコロナに敏感なのかな。
健一

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