てっぺい

STAND BY ME ドラえもん2のてっぺいのレビュー・感想・評価

STAND BY ME ドラえもん2(2020年製作の映画)
4.0
【ドラ泣き映画】
前作に続き、今作でもボロボロに泣ける、ドラ泣き顕在。そんなラストのために全編があると思えるほど。幼少ののび太やしずかちゃんが可愛すぎる別の楽しみ方もあり、往年のファンには必見の一本。
◆概要
シリーズ初の3DCGアニメーション映画「STAND BY ME ドラえもん」('14)の続編。原作漫画の名エピソード「おばあちゃんのおもいで」にオリジナル要素を加えてストーリーを再構築。2020年11月20日公開。
監督:八木竜一・『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ 山崎貴
脚本:山崎貴
声の出演:妻夫木聡(大人ののび太)、宮本信子(おばあちゃん)
◆ストーリー
前作で描かれた「のび太の結婚前夜」の翌日である結婚式当日を舞台に、のび太としずかの結婚式を描く。ある日、タイムマシンで過去へ向かいおばあちゃんに会ったのび太は、「あんたのお嫁さんをひと目見たくなっちゃった」という一言で、未来の結婚式を見せようと決意する。しかし、未来の結婚式当日、新郎のび太はしずかの前から逃げ出してしまい……。
◆見どころ
描かれる家族愛にラストボロ泣き。色んな道具が飛び出す楽しさ、ならでは感ももちろん顕在。3Dだからこそ演出できる質感や、動きの可愛らしさが余計にキャラを引き立てる。細かい映像の工夫が至る所に散らばっていて、見ている側を飽きさせない。

◆以下ネタバレ

◆ドラ泣き
前作から使われているこのフレーズだけど、本作は違う角度で泣かせてくる。おばあちゃんへののび太の想いの深さは、誰もが自分のおばあちゃんの事を思い出すほっこり泣き必至だし、亡くなるおばあちゃんが見る事の出来なかった孫の結婚式を見れるシーンなんて、今思い出しても泣けてくる。両家の両親を“ライバル”と呼んだのび太がスピーチで紡ぐ家族愛にも泣かされたし、もうあのラストでドラ泣きさせるために全編が作られたような映画の頂点の作り方だった。付け加えて、“忘れん棒”で現在ののび太が結婚式を成功に導いた事を忘れる、つまり未来へのつじつまが合うという脚本力、山崎貴さすがです。
◆3D
ドラえもんの世界観をギリギリ超えない3Dのリアルさ。のび太のつるつるの手に重ねるおばあちゃんのシワシワの手が、程よい3D感というか、世界観の“ちょうど良さ”。ラストでは、そのおばあちゃんの手に重ねるのび太の手にいつしか傷がついていて、少し大人になったそんなのび太を映像で表現していたと思う。余談だが、その3D感を超えない制約からなのか、おばあちゃんの歩幅が極端に狭く笑、現在ののび太が初めておばあちゃんに会うシーンでは亀のようなそのスピードに少し吹いてしまった笑。
◆往年
幼少ののび太やしずかちゃんが可愛すぎるし、現在ののび太が幼少のジャイアンを泣かす、往年のファンにはたまらない描写があったのも良かった。今のび太と先のび太が、お互いを罵り合う、根っからののび太という人間のダメダメ感も、他のシリーズにはなかったかもしれない笑
◆工夫
本筋ではないけど、現在ののび太と未来ののび太が入れ替わると、現在のび太にあった寝ぐせがが未来のび太に移ってた。元に戻るラストでは当然元通りに。声の違いに加えて、映像としてもキャラの設定を与えているあたりが細かい。街の描写にはライオンやユニクロのプロダクトプレイスメントが何度も出てきたけど、ジャイアンのTシャツの袖に“UT”マークがあったのを見逃さなかった笑。おそらく、本編の至る所にそんな映像の工夫が施されていたはず。「レディプレイヤーワン」レベルで映像を止めながら家で視聴したい映画かも笑
◆トリビア
○ 当初は公開が同年8月7日に予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の流行による映画興行の一時停止及び、映画『ドラえもん のび太の新恐竜』の公開が8月7日に延期されたことにより、ドラえもん同士の玉突きで、本作の公開日が延期された。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/STAND_BY_ME_ドラえもん_2)
○ 配給元の東宝の初日アンケートによると、前作の客層は男女比が47対53で、年齢別では20代が21.5%、30代、40代がそれぞれ20.4%、小学生までの子供が20.4%。小学生や未就学児がコア層である通常の2D版の「映画ドラえもん」とは大きく異なり、大人も対象になっている。(https://eiga.com/news/20201119/10/)
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