スタンドバイミードラえもん1の時から、かなり否定的なので、あくまで合わない人間の感想です。
やはり観客を安く見てるな、という懇切丁寧過ぎる演出が私はダメでした。冒頭のタイトルバックから、ひたすらにテンポが悪い。感動のシーンで感動の音楽を全力で流す、情緒のなさに辟易してしまう。
今回のつらいところは、ミスリードのつくりが全て同じ、何かの雰囲気を「あとで出てくるよ！」と言わんばかりに現れていないキャラの雰囲気を残してシーンを切り替える。なぜ全てを同じにするのか、に理由がない。
手が込んでないんですよ、様々。しずかちゃんの感情もほとんど放置というか、もう少し待つ側の表現もみせてほしかったけれど、のび太にスポットを当て過ぎてしまったため、強く待つだけの人間味のなさ、を感じたところ。
不良に対するアンサンブルはよかったけれども、そこ以外はほとんどが会話劇の域を超えておらず、アングルやリアクションでしのいでしまっているところも、幅のなさを露呈。
さらに言えば、のび太誕生の瞬間を描いているが、近くにいるのにおばあちゃんが触れるシーンはない。ここまでベタにしているならば、最後に見届ける感動に溜めておくよりも、ダメ押しするくらい、おばあちゃんを使う事を惜しむ必要はないので、最後に出てくるクローズアップの手のシーンは良かったので、そことのリフレインを入れるのも方法のひとつだった。また、花火のくだりはわがままだけで終わらせるのか、という思いもあるので、そこでおばあちゃんが刺繍をしてた事から、どこかに花火を入れて渡してもいい、とにかくやれる事はたくさんあったと思う。
様々言いたい事はあるけれど、取捨選択のバランスの無難さ、前半のテンポの遅さを考えると、アニメの利点、カットの自由さが、視点の自由さよりも見たかったと思うくらいに切れ味の悪い作品だと感じた。
のび太を、というか妻夫木聡の声を使う分数が決められてるのか、と思うほどに、のび太中心過ぎるし、不自然なハラハラよりも、内面の話をする時間がないのか、というのが自分の合わない部分です。
