鉄男

映画 えんとつ町のプペルの鉄男のレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
4.3
” 西野もしかしてUSJでアトラクション化でも狙ってんのか”

※本レビューはあくまで個人の見解です。見解の違う点、多少のネタバレ要素もあると思いますが、私なりの作品の魅力をお伝えいたします。


〈あらすじ〉
    原作はお笑い芸人キングコングの西野亮廣さん、累計発行部数40万部超の完全分業制による大人気絵本。

    舞台はそこかしこに煙突が伸び、煙のたちこめる煙突町。主人公は煙突掃除屋の少年『ルビッチ』、ゴミから生まれたゴミ人間の『プペル』。ふたりはハロウィンの夜に出会い、友達となる。
    ルビッチにとって初めての友達となるプペル、ルビッチの周りの仲間により居場所を見つけふたりは絆を深める。ルビッチにはある夢があり、友達のプペルにこう告げた。
"星を見に行くんだ。この煙の向こうには星があるんだ"
亡き父と共に思い描いた夢。周りからは変わり者とはじかれていたが、プペルとの出会いが2人を大きく動かしていく。
いつしかそれは街を巻き込む大きな騒動となり、父と描いた夢を諦めないための大仕掛けにでる。

〈感想〉
    もうこれでもかと見所満載の興行映画でした。もうただのアニメ映画ではなく、しっかりビジネスとして成り立たせようとしている映画に思えました。

    ただこれは決してマイナス要素ではなく、むしろ面白い映画でした。最近のアニメ映画としてはボリューム満点で、まるでアトラクションに乗っているような演出までありました。

    制作は4℃スタジオ。その技術力を存分に使っており、細かい背景のタッチや造形物のグラフィックの動きやデザインなど映画だからこそのアニメーションでした。特にキャラクターが大きく動く時の周りのオブジェクトは作り込みに圧巻でした。アトラクションのように感じたのもここです、見所です。

    また音楽の使い所も面白さがあり、まるでPVのような音楽と映像の使い方をしていて、映画っぽくない盛り上がりを感じました。これも面白ポイントかなって。

   それだけ見所満載の映像作品でありつつも、原作ベースでしっかり映画として肉付けされたストーリーがあるので最後までしっかり見入ることができました。ただ西野さんの想いが強すぎるためか、急に自己啓発的な哲学的なセリフが出てきたりするのはくせを感じますね。

   最後に個人的な見所ですが、エンドクレジットの制作協力者欄、ただの映像作品の映画でなくしっかりビジネスとして成り立たせようとしている裏側、そういう業界での西野さんの巻き込み力やカリスマ性が感じられるラインナップが見えるので面白い。

   この作品のプペルがゴミ人間な設定を西野さんはこう言ってました。
「人間最初は夢を見てて、それをいつか社会で捨てる。その夢の成れの果てはゴミであり、夢を持ち続けている人はゴミを持ちつづけてるいわばゴミ人間なんだ。だからプペルがいて、ルビッチと夢を叶えることに意味がある。」

    西野さんがこの映画でディズニーを超える興行収入を獲るといっていたように、それを叶えるべくな仕掛けが沢山あって、尚且つこの映画から先の展開すらあるのだろうと感じられる壮大な仕掛けのワンポイントに感じられるアトラクション映画。
    ただなにより『夢をあきらめないこと』『信じてくれる家族や仲間の存在』が真っ直ぐ伝わる素敵な映画でした。ぜひ劇場でご覧下さい。

   

※長い文でしたが読んでくださりありがとうございます。これからも皆様の素敵な映画体験のきっかけになれればと、自分なりのレビューを投稿いたします。
   面白かった、映画に興味が湧いた、また読みたいと思ってくださった方がいらっしゃれば、是非フォローよろしくお願いいたします。※
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