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映画 えんとつ町のプペルのkuuのレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
3.9
『えんとつ町のプペル』
英題POUPELLE OF CHIMNEY TOWN.
製作年2020年。上映時間100分。

西野亮廣(お笑い芸人キングコング)の原作絵本を廣田裕介がメガホンを取って作られたアニメーション作品。
アニメーションの声には、窪田正孝をはじめ、芦田愛菜、立川志の輔、小池栄子、藤森慎吾、野間口徹、伊藤沙莉
、宮根誠司、大平祥生(JO1)、飯尾和樹(ずん)、山内圭哉、國村隼など。
あ!これは彼の声やなんて聞き耳をたてるのも面白いかな。

信じて、信じて、 世界を変えろ。
厚い煙に覆われた “えんとつ町"煙の向こうに“星” があるなんて誰も想像すらしなかった。
一年前、この町でただ一人、紙芝居に託して”星”を語っていたブルーノが突然消えてしまい、人々は海の怪物に食べられてし まったと噂した。
ブルーノの息子ルピッチは、学校を辞めて、えんとつ掃除屋として家計を助ける。。。

廣田裕介の初監督作品となる
劇場アニメ『煙突町のプペル』は、
常に煙で空が真っ暗な大都会が舞台。住民たちは異端審問官と呼ばれるマントをまとった役人に取り締まられ、
異論を唱える者、
特に近くの海や大空に世界があるかもしれないと提案する民間人を弾圧することを仕事としている。
煙突掃除夫として働く孤独な少年ルピッチは、このディストピアで初めての友人をつくる。
(プペルの出自は不明やけど、タイトル前のシークエンスでは、失踪したルビッチの父ちゃんがいつも息子に見るよう促していた星からやってきたように見える。)
西野亮廣の同名絵本を原作とする今作品は、誰もが知っている物語を彷彿とさせる。
『オズの魔法使い』(プペルのかかしのような帽子やクライマックスの熱気球の展開など)、
『E.T.』(少年と宇宙人の友情)、
そして、『ウォーリー』(ゴミ処理場の美学)。
寓意は、半ば首尾一貫しているので、興味をそそられました。
事実上、今作品は、自己価値を持つ通貨の存在によって、急進的な自由主義者が中央銀行から人々を守るためにビッグ・ブラザーを創設したらどうなるかと問いかけてると思う。

ルピッチは、(吸血鬼のような奇妙な噛み合わせをしている)その色調や、ずれたキャラの細部に感心しながら、今作品を読み解こうとすると、今作品はしばらく楽しくて仕方がない。
しかし、結局のところ、最も不穏なアイデアから遠ざかり、心地よいセンチメンタリズムに陥っているんは否めないかな。
西野が絵本の構想をし始めたのが2011年からやそうですので、トントン拍子のアニメーション化ではなかったんは窺えるかな(行ったとしてもそないに時間のかかるものかと大変さが窺えるかな)。
小生も友の奨めもあり絵本の構想を練っているし、沢山の絵本を見てきたが、彼の絵本(原作)はスタイリッシュで大人でも楽しめました。
勿論、今作品アニメーションも然りでしたよ。
自ら生み出したストーリーに好感触を得た西野は、まずサンリオピューロランドと組んで、西野が手がけていたコントライブ『ナイスなやつら』のプロデュースの形で舞台化し、
そこでの観客の反応を取り入れて映画のストーリーが完成したんやそうやけど。
そのまま映画化しても得体の知れない作品に集客は見込めないだろうという判断から、映画のストーリーの5分の4くらいを削ったのが絵本の内容です。
絵本製作は完全分業といっても絵と文の2名であることから、
『森を描く、人物を描くといった作業にそれぞれ専門家を充て、完全な分業を実現したい』という西野の思いから始まったんだそうっす。
分業による費用増はクラウドファンディングによって賄われており、作品中に登場する店名や企業名の看板は実は出資者による広告となっているんも面白いとこかな。
分業制導入には、作家性が薄れる可能性もなきにしもあらずやけど、絵本で10万部を超え売れたなら素晴らしいかな。
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