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劇場版ポケットモンスター ココのlpのレビュー・感想・評価

4.5
言わずと知れた「ポケモン」の劇場版最新作。

今年のポケモン映画は、いつものポケモン映画とは毛色の異なる傑作「みんなの物語」の矢嶋哲生監督が再びメガホンを取ったとあって期待していたけれど、その期待を大きく上回る傑作だった!ポケモン映画史上屈指のレベルの傑作に感じたのはもちろんのこと、今年の日本映画年間ベスト10の再検討が必要なレベルだった!

「みんなの物語」に続き今作も主人公のサトシはほぼ脇に追いやられ、タイトルロールの「ココ」とココを育てたポケモン「ザルード」の関係性にガッツリ焦点を当てる。サトシが開始しばらくほぼ影を潜めている時点で例年のポケモン映画とは一味違う。加えて、今作の主軸となるココのアイデンティティを巡るドラマも、ココとザルードの親子の物語も、何れも上々な内容で素晴らしい。
過去のポケモン映画で多く創られてきた伝説のポケモンを巡ってすったもんだする作品では、ドラマが薄っぺらく感じられる事が多かっただけに、この時点で好感度はかなり高い。

しかし、今作の凄さは「ドラマが上々」というだけに留まらない。今作にはちゃんと「ポケモン映画」らしくバトルシーンもある。そして、このバトルシーンが素晴らしい。ちゃんと「バトル」の裏にもドラマが感じられるのだ。
しかも、バトルシーンに至るまでに「ココ」の物語をしっかり紡いでいるので、クライマックスのバトルでは感情が動かされる。まさかポケモン映画のバトルで泣きそうになるとは予想外だった!これには「みんなの物語」からの矢嶋監督の成長を感じた。

予想を大きく上回る大傑作。「どうせポケモン映画でしょ」と高を括っている方にも、ぜひ1度ウォッチ頂きたい作品です。オススメ!
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