有村架純の映画だった。
アクションというより、悲運のラブストーリー。
「龍馬伝」を彷彿とさせるリアルな時代劇。それをIMAXで大友監督の映像美学を味わった。
エンタテインメントと激しく怒涛のアクションに振り切ったFinalと対照的に、静のドラマをじっくり見せる。
「龍馬伝」が大河ドラマで一番ハマった私は楽しめたが、果たしてるろうアクションを楽しんできたファンはその抑えた展開を持ち堪えられるだろうか。
もちろん人斬り抜刀斎としての剣心の真剣でバッサバッサと斬っていくアクションは今まで以上に血生臭く痛々しく哀しい。
佐藤健はこの時代の抜刀斎を生ききって、人斬りならではの狂気性と絶望感が滲みでていて、さすが。
中盤の見どころ、剣心VS新選組の沖田総司も良かった。
フィクションとリアルの交差のワクワク。
沖田総司役の村上虹郎も合っている。
そして、新選組現役時代の荒々しい斎藤一役の江口洋介がやっぱりかっこいい。
しかしこの映画は有村架純が軸になっている。
いつもはぷっくらと顔が丸くなりがちな有村架純がシュッとしていて有村架純史上、一番美しい有村架純だと思った。
夫を殺された男を復讐の気持ちで近づき、そして、最後は愛していく。その非現実性が終盤までなかなか感情移入し辛いものの、クライマックスの哀しき場面（Finalの回想でもう結論は分かっている）で、それを超えて説得力を持ってくる。
雪代巴という名前のように真っ白な雪女のような薄幸美女を体現した有村架純と剣心のヒリヒリとした関係性を幕末の動乱を最中に美しい映像で描き切る。
大友監督はそれをやり遂げ、るろうに剣心の円環の物語に見事に決着をつけた。
しかし多くのるろうファンの若者がこのTHE 時代劇な映画を楽しめるかどうか・・・それはわからない。
でも、FinalとBeginningの両作で1作品として存分にるろう世界を堪能できたと思う。
Finalのレビューはこちら↓
https://filmarks.com/movies/83818/reviews/110251224
そして、シリーズの到達点としての潔い幕切れの美学を感じた。
キャスト、スタッフの皆様、10年に渡るシリーズの製作お疲れ様でした！
そして、ありがとうございました😌
